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経験豊富な弁護士集団による相続問題のための法律相談は中村・安藤法律事務所

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現在所有している不動産が共有である場合にはなかなかそれを売却するなり、賃貸するなりして有効利用することが困難となります。そこでどうしたら有効利用して、持ち分を現金に換えるなりが出来るのでしょうか?一番簡単かつ有効なのは他の共有持ち分者と協力して売却や賃貸することです。

共有持ち分者と①意見が合わない、②共有持ち分者と仲が悪く意思疎通が出来ない、③共有持ち分者の行方が分からない、④共有持ち分者が認知症になっている、など様々な事情の下、うまく協力できないこということがありますのでその場合には私たち弁護士に委任して処理していくことが重要でしょう。

1 共有不動産の売却方法について

まずは、共有者全員で合意して売却する、というのが一番良いでしょう(どんなに持ち分割合が低い人でも一人でも反対した場合はこの方法は使えないでしょう。)。売買値段も適正であり、かつ、要する時間も短いでしょう。

もっとも、共有者同士で意見が合わない場合もあるでしょう。
例えば、一部の共有持ち分者は売却を希望しても、他の共有持ち分者が先祖代々の土地であるので売りたくない、という場合があるでしょう。

このような場合には以下のような方法があり得ます。

(1)現物分割

このような場合には、例えば、話合いをして、当該共有不動産を持ち分割合に応じて分割をして、単独所有に変更する、というやり方もあります。勿論、他の共有持ち分者との合意が必要なのですが、うまくいけば自分一人の意思で売却が可能となります。

例えば、300㎡の土地を兄弟3人で等分に共有している場合に1人100㎡ずつに土地を分筆してしまうという方法です。

これが可能となれば、単独所有での売却となりますので適正価格での売却が可能となるでしょう。
ですから、後述する共有物分割請求訴訟などをいきなり提起するよりもまずはこの方法を検討してみるのが良いでしょう。

(2)共有持ち分のみを第三者に売却するという方法

共有持ち分のみを他者に売るということも法律的には可能です。この際、他の共有持ち分者の同意は必要ありません。

もっとも、共有持分のみを購入する買主は、仮に購入しても自由に当該不動産を利用することが出来ないため、なかなか買主が現れず、かつ、その購入価格はどうしても非常に廉価となります。エンドユーザーが購入すると言うことは一般的には特別な事情が無い限り考えにくいでしょう。プロの不動産業者が購入することはありますが、その売買価格は不動産全体を売却した場合と比較するとどうしても非常に廉価となるでしょう。買い取り業者にしてみれば、即座に有効利用できるわけでは無く、購入後に共有物分割請求訴訟を提起する必要などがあるためです。
そこでこの方法あまり有効的な方法ではないといえるでしょう。

(3)他の共有持ち分者からの買い取り

他の共有持ち分者との話合いがつき、他者の持ち分を買い取りする、或いは他の共有持ち分者に売る、という事もあり得ます。他の共有者が同意していることが前提です。他の共有持ち分者が同意しない場合には、裁判所の共有物分割請求訴訟を行う以外では、強制的に買い取る方法はありません。

なお、仮に他の共有持ち分者が同意した場合には、一般的には当該土地の適正価格を基準としてその持ち分割合を乗じた額が売買価格の目安となるでしょう。

勿論、売り手側・買い手側の資金力やそのときの状況に応じて売買価格は左右され得ますが、(2)の方法よりは有効な方法でしょう。もっとも、あくまで他の共有持ち分者との間で話合いがつくという前提ですのでその点でうまくいかないことがあるでしょう。また、一時的には買い取り資金も必要となるのでこの点でも難しい要素は出てきます。

(4)裁判所への提起

(1)や(2)や(3)がうまくいかなかったり、想定していた値段での売買ができない様な場合には、裁判所を利用するという方法があります。共有持ち分分割請求の訴え提起をする、というものです。これは大雑把に言えば、①他の共有持ち分者と話合いがつかなくても問題は無く、②比較的適正価格での売買が可能となる、というメリットがあります。

なお、この共有物分割請求訴訟を起こすためには他の共有者の同意は必要なく、他の共有者が反対をしていても可能です。その意味でも有効な方法といえるでしょう。
これについては項を改めて説明いたします。

 

(5)どれを選ぶかは、①他の共有持ち分者との関係、②自身が想定する売買価格との兼ね合い(廉価であってもとにかく早く現金化したいのか、比較的適正価格で売却を希望しているのか)、などによるのでしょう。

もしも可能であるならば、(1)の方法や(3)の方法がおすすめでしょう。しかし、(1)や(3)がとれない場合は速やかに裁判所を利用していくべきでしょう。共有物分割請求についての専門の弁護士に依頼するのが良いでしょう。

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