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全ての遺産を把握したい

全ての遺産を把握した上で遺産分割をするのが本来のあるべき姿です。

1 被相続人の全ての財産を全て把握するのは、時に難しいことがあります
被相続人の名義のもの(不動産、預金、上場株、車両など)については、比較的容易ですが、宝石などの動産は把握が難しくなります。また、生前に名義が不当に変更されたような場合はその把握は困難になることもあります。或いは、生前に贈与された金員(いわゆる特別受益)についても受贈者が正直に言わないと把握することは難しくなります。
生前、被相続人から100万円やそれ以上贈与を受けていたような場合で贈与税の申告をしている様な場合(110万円からの贈与になります)には、客観的に明らかになりやすいのですが、5万円や10万円程度であるとなかなか、立証するのは難しくなるのが実情です。

2 銀行への取引履歴の取寄せ
被相続人が亡くなった時点の預金の残高証明が提出され、これを元に遺産分割協議されることがありますが、直前に相続人の1人により、預金の一部が下ろされていることは珍しいことではないので、これを把握するためにも、当該預金の通帳を確認した方が良いでしょう。多額な出金で、使途が不明なものは、生前の贈与であったり(特別受益)、また、不当な使い込みと回されうるでしょう。
通帳を管理している相続人が通帳を開示するのであれば問題はないですが、それを拒むこともあります。特に相続人同士の人間関係が悪い場合など開示がされないことが多いでしょう。
そのような場合には、相続人の1人としての立場で銀行に取引履歴を取り寄せることができます。どの程度の取引履歴を取り寄せるかは難しい問題ですが、①遺言書があり、遺留分の侵害が問題となる場合には、最長でも10年で足りるでしょう(民法1044条3項参照)。一般的には被相続人が健康で自己で通帳を管理できていた期間は問題となりにくいのでその間は通帳の履歴を取らないことも比較的多いでしょう。②遺言書が無く、遺産分割が問題となる場合には、酷い例ですと20年近くに遡って問題となったという例もありましたが、比較的多くの例では、前述の通り、被相続人が健康で自己で通帳を管理できていた期間は問題としないでその間は通帳の履歴を取らないことも比較的多いでしょう。
あくまでケースバイケースといえます。

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